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  11. 江戸川乱歩

江戸川乱歩

ジャパンナレッジで閲覧できる『江戸川乱歩』の日本大百科全書・世界大百科事典・日本近代文学大事典のサンプルページ

日本大百科全書(ニッポニカ)

江戸川乱歩
えどがわらんぽ
[1894―1965]

推理作家。本名平井太郎。明治27年10月21日、三重県名張市に生まれる。早稲田 (わせだ)大学政経学部卒業。中学生のころに黒岩涙香 (るいこう)の『幽霊塔』などの作品に熱中して以来、欧米のミステリーを耽読 (たんどく)。ペンネームは彼が傾倒したエドガー・アラン・ポーに由来する。大学卒業後は貿易商社員、造船所事務員、古本商、東京市役所吏員、屋台の支那 (しな)そば屋など各種の職業を転々とする。『二銭銅貨』を『新青年』に投稿、編集長森下雨村 (うそん)の目にとまり、1923年(大正12)同誌の4月号に掲載された。本格的な暗号解読をトリックにした本編は、日本に近代的な推理小説を確立した記念碑的な作品である。その後『心理試験』(1925)、『D坂の殺人事件』『屋根裏の散歩者』『人間椅子 (いす)』など、独創的なトリックと斬新 (ざんしん)な着想による短編と、『湖畔亭 (こはんてい)事件』(1926)、『陰獣』(1928)などの長編を執筆するかたわら、『押絵と旅する男』『孤島の鬼』のような幻想的な怪奇趣味の名編を発表した。しかし30年前後から創作力の枯渇を覚え、どぎついサスペンスを売り物にした『蜘蛛男 (くもおとこ)』(1929)、『黄金仮面』(1930)などの通俗スリラーへと転じ、また一方では『怪人二十面相』以下の児童読み物を書いて喝采 (かっさい)を博した。中期の本格的な作品としてみるべきものは『石榴 (ざくろ)』(1934)で、第二次世界大戦中は事実上執筆禁止の状態に置かれた。戦後は『化人幻戯』(1954)のような長編も書いたが、乱歩の情熱は創作よりもむしろ推理小説の普及と後輩の育成、研究と評論へと向けられ、47年(昭和22)探偵作家クラブの初代会長となり、54年還暦を記念して新人発掘を意図した江戸川乱歩賞を設定、63年には日本推理作家協会の初代理事長に就任した。推理小説の創作のほかに、評論集『幻影城』正・続(1951、54)、自伝的エッセイ集『探偵小説四十年』(1961)がある。昭和40年7月28日死去。

[厚木 淳]



世界大百科事典

江戸川乱歩
えどがわらんぽ
1894-1965(明治27-昭和40)

探偵小説作家,評論家。本名平井太郎。筆名はエドガー・アラン・ポーのもじり。三重県生れ。早稲田大学政治経済学部卒業。在学中から英米の探偵小説に関心を抱き,卒業後十数種の職業についた。1923年に《二銭銅貨》を発表し,日本における創作探偵小説の基盤を築き,続いて推理を主軸にした《心理試験》(1925),《陰獣》(1928),《石榴(ざくろ)》,怪奇的な《人間椅子》(1925),《鏡地獄》《パノラマ島奇譚》(1926-27),幻想的な《押絵と旅する男》(1929)などで,探偵小説という新分野を確立した。一方《蜘蛛(くも)男》(1930),《黄金仮面》などのスリラー長編は,強烈なサスペンスにあふれ,一般読者から熱狂的歓迎をうけ,探偵趣味を普及させた。戦後は心理的トリックをねらった《化人(けにん)幻戯》などがあるが,創作よりも海外作家の紹介や研究評論に力を注いだ。46年には探偵作家の親睦,研究を目的とする土曜会を提唱して主催し,戦後の探偵文壇の体制をととのえ,翌年,それを探偵作家クラブに発展させ,初代会長に選ばれた。52年,評論集《幻影城》により第5回探偵作家クラブ賞を受賞。54年,還暦祝賀会の席上,基金を提供して江戸川乱歩賞の制定を発表,新人作家の登竜門の役割を果たしている。57年,探偵雑誌《宝石》が経営難に陥ったさい,陣頭にたって編集,経営に参画した。61年に紫綬褒章を受章。63年,探偵作家クラブを改組して社団法人日本推理作家協会が設立され,初代理事長となった。
[中島 河太郎]

[索引語]
二銭銅貨 陰獣 蜘蛛(くも)男 探偵作家クラブ 幻影城 江戸川乱歩賞 宝石 日本推理作家協会


日本近代文学大事典

人名
江戸川 乱歩
えどがわ らんぽ
明治27・10・21~昭和40・7・28
1894~1965
本文:既存

推理小説家。三重県名張町に生れたが、本籍は津市。本名平井太郎。筆名はエドガー=アラン=ポーのもじり。父繁男の長男。祖父の代まで藤堂家の藩士であった。父は名賀郡書記。三歳のとき名古屋に転ずる。小学生のころ母に読んでもらった菊池幽芳訳『秘中の秘』に探偵小説への興味をそそられ、中学に進んでからは押川春浪の武俠冒険と黒岩涙香の怪奇恐怖に心をうばわれた。明治四五年、中学卒業の年、平井商店が破産、父はいちじ朝鮮に渡ったので、単身苦学しながら早大政経学部を卒業(大5)。在学中、ポーやドイルを耽読。探偵小説の習作や翻訳を試みる。大学卒業後、谷崎潤一郎とドストエフスキーに感動、佐藤春夫、宇野浩二にも心酔した。作家として出発するまでに、大阪の貿易商社、鳥羽造船所、東京団子坂での古本屋、東京市吏員、シナそば屋のほか、活版職工、東京パック編集、大阪時事記者、工人俱楽部書記長、化粧品製造所支配人、弁護士手伝い、大阪毎日広告取りと、職業を転々としている。妻隆子と結婚したのは夜の流しそば屋時代(大8)であった。冬の夜のチャルメラを吹いての屋台引きは短期間ながら楽しかったという。大正九年、「新青年」が創刊された年、智的小説刊行会を計画したが会員が集まらず失敗。大阪の父の家に妻子を連れて転がりこんだ失業時代の一一年の八月ごろ、かねて腹案のあった『二銭銅貨』と『一枚の切符』を執筆。これらを探偵小説通の馬場孤蝶に送ったが、返事が貰えぬまま原稿を返送してもらって新青年編集長森下雨村に送ってみた。これが認められて翌一二年「新青年」四月増大号に発表され、『一枚の切符』は同誌七月号に載った。『二銭銅貨』は長く研究していた暗号への関心とポーの『黄金虫』や『盗まれた手紙』からヒントを得たもの、『一枚の切符』は自殺と見せかけた他殺の裏をいったもの。ついで「新青年」に『D坂の殺人事件』(大14・1 増刊)『心理試験』(大14・2)『黒手組』(大14・3)『赤い部屋』(大14・4)を発表、傑作がつづき、ようやく職業作家として立つ決心をし大阪毎日広告部を一年ほどで辞職。一四年一月、名古屋に小酒井不木を訪れ、上京して森下雨村、宇野浩二をはじめて訪問。七月に処女短編集『心理試験』(春陽堂)が出た。『D坂の殺人事件』は棒縞の浴衣と格子戸との錯覚トリックであり、ここではじめて名探偵明智小五郎が登場する。『心理試験』は刺戟語と反応語による連想試験を扱い『D坂の殺人事件』の連想診断をなっとくさせ、心理試験を知っている犯人が試験者の裏をかき、犯人のそのトリックをまた名探偵が発見する二重トリックになっている。横溝正史らと大阪に探偵趣味の会を起こして、九月機関誌「探偵趣味」を発刊、一〇月大衆文芸作家の二十一日会の同人になった。さらに名作『屋根裏の散歩者』(「新青年」大14・8 増刊)『人間椅子』(「苦楽」大14・9)を発表。その着想の奇抜さで注目をひき、怪奇な謎と科学的推理による日本本格推理小説の開拓と完成の基礎をきずいた。同時に『赤い部屋』に後年の恐怖と神秘の要素を見せている。一五年、東京へ移住したが、『闇に蠢く』(「苦楽」大15・1~昭元・12)『湖畔亭事件』(「サンデー毎日」大15・1~3)『パノラマ島奇談』(「新青年」大15・10~昭2・4)『一寸法師』(「朝日新聞」大15・12~昭2・3)と長編連載がつづき、読者には好評であったものの執筆は難行した。

『闇に蠢く』にはヴェルヌ作『生残り日記』の訳本にヒントを得て人肉嗜好の結末がある。『湖畔亭事件』はレンズによる旅館の浴室のぞきが目撃する殺人の謎、『パノラマ島奇談』は乱歩調の幻想怪奇で萩原朔太郎の賞讃を得た。短編では残酷な悪人心理の『お勢登場』(「大衆文芸」大15・7)、球体の鏡の内面恐怖『鏡地獄』(「大衆文芸」大15・10)の佳作があった。『一寸法師』ののち、昭和二年三月、自信をなくして自己嫌悪に陥り、当分休筆を宣言し、妻に戸塚で下宿屋をやらせて放浪の旅に出た。一一月、小酒井不木、国枝史郎、長谷川伸、土師清二、平山蘆江と大衆文芸合作組合耽綺社を結成。このころ同性愛文献の収集をはじめ、南方熊楠ゆかりの研究家岩田準一と交わりがあった。この面では『幻影の城主』(昭22・2 かもめ書房)収載の『もくづ塚』『ホイットマンの話』『シモンズ、カーペンター、ジード』、とくに『J・A・シモンヅのひそかなる情熱』は稀本二冊によるすぐれた研究評論。一四ヵ月休筆ののち、中編『陰獣』を執筆。『蜘蛛男』(「講談俱楽部」昭4・8~5・6)いらい通俗小説の傾向を強め、『黒蜥蜴』(「日の出」昭9・1~12)ほか、『怪人二十面相』(「少年俱楽部」昭11・1~12)をはじめとする少年ものの執筆をはじめた。六年には下宿学生の争議起こって廃業。平凡社版の『江戸川乱歩全集』一三巻が大宣伝で刊行開始。第一回配本は『魔術師』。九年、池袋へ転居。『石榴』(「中央公論」昭9・9)発表、トレントの『最後の事件』のトリックの日本化を試みた中編。一般文壇からは偏見をうけた。一四年から一五年にかけて戦争文学などさかんになったが、文庫本の短編集の中の旧作『芋虫』(「新青年」昭4・1、改題『悪夢』)が反軍国主義的として全編削除され、これいらい乱歩作品はほとんど禁止同然になった。一六年一二月、シナ事変は太平洋戦争に拡大、隣組防空群長、町会役員と、この戦争で健康な生活へ一変した。ポーのデュパーン探偵のような深夜の執筆、夜と昼との取りちがえ習慣がなくなり、人とのつき合いぎらいが社交的になった。二〇年四月、家族を福島に疎開させた。空襲激しく自家の火は消し止めたが、栄養失調から病を得て疎開さきにいたり、そこで終戦。一一月に家族と池袋へ帰った。

 戦後は第二の転生で、ひたすら海外推理小説の紹介、研究評論、日本推理小説再興へ献身することになった。昭和二一年四月に推理作家、研究者を集めて第一回土曜会を開き、翌二二年に探偵作家クラブが成立して会長となった。一〇月に公職追放となり、二三年二月に解除。戦後の推理小説ブームを起こして、昭和二二年には三一冊の旧作著書が出ている。探偵小説雑誌「宝石」の発刊は昭和二一年三月号であった。しかし「新青年」は二五年七月号で廃刊した。戦後創作に積極的でなくなったのは才能が枯れたからとするのは誤解で、『陰獣』までの短い創作期間にすでに日本推理小説の本格的確立を達成しており、その多面多彩な創造的才能はこのジャンルで一つの完成を遂げていたのである。評論集『幻影城』(昭26・5 岩谷書店)は探偵小説の定義、海外事情、作家作品の紹介を内容とし、とくにポー論と怪談入門は高く評価すべき成果であり、『続・幻影城』(昭29・6 早川書房)中の類別トリック集成とともに卓越した学究的能力をうかがわせる。二七年第五回探偵作家クラブ賞が『幻影城』に贈られ、同クラブ名誉会長に就任。二九年還暦祝賀会、この席で江戸川乱歩賞設定が発表された。一一月、春陽堂版『江戸川乱歩全集』一六巻の刊行がはじまる。三二年八月に経営難の「宝石」の経営編集に当たる。『探偵小説四十年』(昭36・7 桃源社)は精密な自伝的推理小説史となり、三六年一〇月より桃源社版『江戸川乱歩全集』一八巻刊行開始。三八年、探偵作家クラブが社団法人推理作家協会と組織を改め、初代理事長に就任。しばらく難病パーキンソン氏病に苦しんだのち、四〇年七月二八日、蜘蛛膜下出血による脳出血で死去。法名は智勝院幻城乱歩居士、推理小説という特異な世界の巨人であった乱歩には、作品の怪奇、妖美性のために同性愛者、夜の密室の無気味な作家、人ぎらい、放浪者、酒乱といったあらぬ伝説がある。実は人みしりするはにかみ屋であり、きわめて事務的な常識円満のおとなであり、境遇に負けない勤勉努力によって、よく自己の才能を発見成長させた誠実な人であった。戦後、酒席を好んだが、ほんらい酒は飲めなかった。晩年ようやく無理に乱酔して忘我を経験、これを好んだが、酒を愛したのではなかった。楽しい陽気さを好んで、これも戦後、文士劇、あるいは推理劇などのしろうと芝居にも進んで出演した。孤独な淋しさの裏返しでもあり、同時に虚名をあなどらない幻影の城主でもあった。推理小説に知的な謎解きの遊戯性を尊重し、怪奇幻想のロマン性をも強調、ポーにも見られる知的虚構のロマン的情調を見逃さなかった。「うつし世は夢、夜の夢こそまこと」「われわれは色盲ではないのか。まだ見ぬ色があるのではないか」という文句は有名。日本推理小説の開拓者、達成者、指導者、育成者としての功を果たし、もっとも推理小説を愛した作家、評論家であった。一部の作品は英訳されて海外で好評を得た。『海外探偵小説作家と作品』(昭32・4 早川書房)など評論随筆集数冊。

 決定版『江戸川乱歩全集』全一五巻(昭44~45 講談社)がある。

(鈴木幸夫 1984記)

代表作

代表作:既存
陰獣
いんじゅう
中編小説。「新青年」昭和三・八(増刊)、九、一〇。昭和三・一一、博文館刊。表題は「陰気なけもの」の意。ネコのような魔性を暗示し、犯人は江戸川乱歩に似た大江春泥で、実は意外な人物。乱歩はこの小説で自己抹殺を試みた。
(鈴木幸夫 1984記)

全集

  • 『江戸川乱歩全集』全13巻
  • 『江戸川乱歩全集』全16巻(1954 春陽堂)
  • 『江戸川乱歩全集』全18巻(1956 桃源社)
  • 『江戸川乱歩全集』全15巻(1969~70 講談社)
  • 『江戸川乱歩全集』全25巻(1978~79 講談社)
  • 『江戸川乱歩推理文庫』全65巻・補巻1(1987~89 講談社)
  • 分類:推理小説家
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    日本大百科全書
    、47年(昭和22)探偵作家クラブの初代会長となり、54年還暦を記念して新人発掘を意図した江戸川乱歩賞を設定、63年には日本推理作家協会の初代理事長に就任した。
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    3. えどがわ‐らんぽ[えどがは‥]【江戸川乱歩】
    日本国語大辞典
    小説家。本名平井太郎。三重県に生まれる。早稲田大学政経学部卒。わが国で初めて本格推理小説を書き、その発展に尽くした。代表作「二銭銅貨」「心理試験」「パノラマ島奇
    4. えどがわらんぽ【江戸川乱歩】
    国史大辞典
    協会が誕生すると、初代理事長に推された。二十九年の還暦祝賀に際して、みずから基金を提供して江戸川乱歩賞を制定し、はじめ推理小説界の功労者の顕彰、のちに新人作家の
    5. えどがわ-らんぽ【江戸川乱歩】画像
    日本人名大辞典
    間椅子」「陰獣」をかく。ほかに「怪人二十面相」など作品多数。戦後は評論集「幻影城」を刊行,江戸川乱歩賞を創設した。昭和40年7月28日死去。70歳。三重県出身。
    6. 江戸川乱歩[文献目録]
    日本人物文献目録
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    7. 文学賞【2019】[本と文芸【2019】]
    現代用語の基礎知識
    新潮ミステリー大賞 (『小説新潮』新潮社)、小説すばる新人賞 (『小説すばる』集英社)などが著名。江戸川乱歩賞 は日本推理作家協会が授与し、受賞作は講談社から刊
    8. あお‐びょうし[あをベウシ]【青表紙】
    日本国語大辞典
    浅葱色の表紙をつけた半紙型の絵本。延享から安永頃にかけて流行した。青本。*人でなしの恋〔1927〕〈江戸川乱歩〉七「その上には、本箱に入り切らぬ黄表紙、青表紙(
    9. あか‐ぼうず[‥バウズ]【赤坊主】
    日本国語大辞典
    和名ぼうずむぎ しろぼうず あかぼうずの品あり」(2)赤くて丸いもののたとえ。*鬼〔1931~32〕〈江戸川乱歩〉顔のない死体「如何にも、頭部はあるけれど、顔と
    10. あけち-こごろう【明智小五郎】
    日本人名大辞典
    江戸川乱歩の小説に登場する探偵。大正14年「新青年」に掲載された「D坂の殺人事件」で初登場。変装のたくみな名探偵として蜘蛛男(くもおとこ)や黒蜥蜴(くろとかげ)
    11. あけちこごろう【明智小五郎】
    日本架空伝承人名事典
    江戸川乱歩の小説に登場する名探偵。日本のシャーロック・ホームズといわれる。一九二五年(大正一四)『D坂の殺人事件』で初登場したころは煙草屋の二階に間借りし、天然
    12. アド‐バルーン
    日本国語大辞典
    )《アドバルン》(1)広告用の文字や絵をつり下げて空中に揚げる軽気球。広告気球。*吸血鬼〔1930~31〕〈江戸川乱歩〉飛ぶ悪魔「宣伝好きの興行主任が、看板がは
    13. アブノルマル
    日本国語大辞典
    〔形動〕「アブノーマル」をフランス語めかした語。*パノラマ島綺譚〔1926~27〕〈江戸川乱歩〉二四「あの小説にはRAといふ男が彼のアブノルマルな好みから、コン
    14. あべ-よういち【阿部陽一】
    日本人名大辞典
    り,のち日経BP社にうつる。勤務のかたわら推理小説を執筆。平成2年「フェニックスの弔鐘」で江戸川乱歩賞。作品はほかに「水晶の夜から来たスパイ」など。徳島県出身。
    15. あみ‐の‐め【網目】
    日本国語大辞典
    目。また、他人からの監視の目。→あみのめ(網目)を潜(くぐ)る。*盲獣〔1931~32〕〈江戸川乱歩〉鎌倉ハム大安売「張りめぐらされた警察の網(アミ)の目(メ)
    16. アメリカ文学
    世界大百科事典
    いのもので,谷崎潤一郎,佐藤春夫,芥川竜之介らが彼の妖異趣味,美的情操,知的技巧を吸収し,江戸川乱歩は彼を探偵小説の師とし,詩人では萩原朔太郎,日夏耿之介らが彼
    17. あんごう‐しょうせつ[アンガウセウセツ]【暗号小説】
    日本国語大辞典
    〔名〕暗号解読を興味の中心とした探偵小説。*文学史上のラヂウム〔1928〕〈江戸川乱歩〉「彼はドイルに先んじて探偵小説、暗号小説(アンガウセウセツ)の創造者であ
    18. あんごう‐ぶん[アンガウ‥]【暗号文】
    日本国語大辞典
    〔名〕暗号を使った文。暗号で書かれた文章。*二銭銅貨〔1923〕〈江戸川乱歩〉下「さて、若しこの紙切の無意味な文字が一つの暗号文(アンガウブン)であるとしたら、
    19. いき‐りょう[‥リャウ]【生霊】
    日本国語大辞典
    の上手の候ふを請じ、生き霊死霊の間を梓に掛け申さばやと存じ候」*人でなしの恋〔1927〕〈江戸川乱歩〉六「もしや何かの生霊(イキリャウ)が、門野に魅入ってゐるの
    20. 池井戸潤[「下町ロケット」で第145回直木賞を受賞]
    情報・知識 imidas
    と並行してビジネス書などを執筆。98年銀行を舞台にしたミステリー「果つる底なき」で第44回江戸川乱歩賞を受賞。2010年ゼネコンの談合を題材にした「鉄の骨」で第
    21. いけいど-じゅん【池井戸潤】
    日本人名大辞典
    1963− 平成時代の小説家。昭和38年生まれ。平成10年「果つる底なき」で江戸川乱歩賞。22年「鉄の骨」で吉川英治文学新人賞。23年日本の下町の技術や職人を描
    22. いけん‐しょ【意見書】
    日本国語大辞典
    〈徳富蘆花〉六・二一「更に『善後策如何』と云ふ一篇の意見書を公にした」*陰獣〔1928〕〈江戸川乱歩〉一〇「糸崎検事に提出する為に、右の意見書(イケンショ)を書
    23. いざわ-もとひこ【井沢元彦】
    日本人名大辞典
    まれ。東京放送(TBS)にはいり報道局記者をつとめる。昭和55年ミステリー「猿丸幻視行」で江戸川乱歩賞。60年作家生活にはいる。愛知県出身。早大卒。作品はほかに
    24. 石井輝男[映画「網走番外地」の監督、死去]
    情報・知識 imidas
    「網走番外地 望郷編」は同シリーズ最高傑作と評価された。また、エロスと猟奇的要素を盛り込んだ「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」では一部マニアに絶大な支持を獲得。さ
    25. いしい-としひろ【石井敏弘】
    日本人名大辞典
    昭和後期-平成時代の推理作家。昭和37年12月19日生まれ。昭和62年「風のターン・ロード」で江戸川乱歩賞。同賞史上最年少の24歳で話題となる。ほかに青春小説「
    26. 異端審問 157ページ
    文庫クセジュ
    the Pendulum.(一八四二年)。大正一五年の宮島新三郎氏の訳をはじめ、佐々木直次郎、江戸川乱歩、谷崎精二、松村達雄、小川和夫、田中西二郎諸氏の訳がある
    27. 一石二鳥
    故事俗信ことわざ大辞典
    或筋の御気に入るといふ、誠に巧な、老獪な、一石二鳥的の効果を奏してゐる」何者(1932)〈江戸川乱歩〉八「常套手段を排して、思ひ切った方法を選んだ。しかもそれは
    28. 絲山秋子/東野圭吾[第134回芥川賞・直木賞を受賞]
    情報・知識 imidas
    経て日本電装株式会社(現・デンソー)に入社。会社勤務のかたわら小説を書き、85年「放課後」で江戸川乱歩賞を受賞。86年に退職し執筆に専念する。98年に発表した「
    29. 稲垣足穂[文献目録]
    日本人物文献目録
    【逐次刊行物】:5件 『現代日本文学全集 85』-『作家論』伊藤整『愛読する人間 稲垣足穂・江戸川乱歩』宇野浩二『イナガキさんとニシガキさん』伊藤整『異端者の系
    30. いりゅう‐ひん[ヰリウ‥]【遺留品】
    日本国語大辞典
    〔名〕死後に遺していった品物。また、持主が忘れ遺した品物。*夢遊病者の死〔1925〕〈江戸川乱歩〉「死体の周囲からは加害者の遺留品(ヰリウヒン)らしいものは何も
    31. いわた-じゅんいち【岩田準一】
    日本人名大辞典
    昭和時代前期の挿絵画家,民俗研究家。明治33年3月19日生まれ。中学時代から竹久夢二と親交をもつ。江戸川乱歩の「パノラマ島奇譚」「鏡地獄」などに挿絵をかく。郷里
    32. 陰獣
    日本大百科全書
    江戸川乱歩の推理小説。1928年(昭和3)3月『新青年』増刊号に発表。実業家小山田氏の夫人と知り合った「わたし」(探偵作家)は、彼女と結婚前に関係のあった男で現
    33. うきよ‐にんぎょう[‥ニンギャウ]【浮世人形】
    日本国語大辞典
    奇漫録〔1824~25〕「元祿正徳の比もてはやしたる浮世人形」*人でなしの恋〔1927〕〈江戸川乱歩〉八「俗に京人形と呼ばれてをりますけれど、実は浮世人形(ウキ
    34. うこん の 橘(たちばな)
    日本国語大辞典
    だりける」(2)((1)を模して)雛祭りに雛壇に並べる飾り物。*人でなしの恋〔1927〕〈江戸川乱歩〉七「これがお雛様、これが左近の桜、右近(ウコン)の橘(タチ
    35. うしみつ‐どき【丑三時】
    日本国語大辞典
    夜の二時と三時との間が一番寂しい丑満時だといふことを思ひ起して」*盲獣〔1931~32〕〈江戸川乱歩〉女泥棒「現代の東京で丑満時(ウシミツドキ)といふ言葉がふさ
    36. うぶ‐げ【産毛・生毛】
    日本国語大辞典
    後・二四「暖かい桃の膚のやうに生気(ウブゲ)の生えた定子の頬に」*盲獣〔1931~32〕〈江戸川乱歩〉地底の盲獣「毛穴が閉ぢて、産毛(ウブゲ)といふ産毛が、猫の
    37. えいり‐じぎょう[‥ジゲフ]【営利事業】
    日本国語大辞典
    略〉実際上の威力を営利事業の上に持ってゐるものなのか」*パノラマ島綺譚〔1926~27〕〈江戸川乱歩〉一一「それらの不動産なり、営利事業(エイリジゲフ)なりを、
    38. エキス
    日本国語大辞典
    である。古い悲哀時代のセンチメントの精(エッキス)である」*ポオと通俗的興味〔1929〕〈江戸川乱歩〉「あらゆる通俗的興味のエキスを、ポオの片々たる短篇小説の一
    39. エレメント
    日本国語大辞典
    考へ方と云ふより、やはり人々の素質(エレメント)の問題でせうね」*トリックを超越して〔1932〕〈江戸川乱歩〉「探偵小説のトリックを構成する所のエレメンツは有限
    40. えんじん‐びゃう[‥ビャウ]【厭人病】
    日本国語大辞典
    〔名〕「えんじんへき(厭人癖)」に同じ。*陰獣〔1928〕〈江戸川乱歩〉三「彼の厭人病(エンジンビャウ)と秘密癖は、作家仲間や雑誌記者の間に知れ渡ってゐた」エン
    41. えんじん‐へき【厭人癖】
    日本国語大辞典
    〔名〕人とのつきあいをいやがって避ける性癖。厭人病。*陰獣〔1928〕〈江戸川乱歩〉二「これは何も君への復讐の為にしたことではなく、私の厭人癖(エンジンヘキ)と
    42. おおたに-ようたろう【大谷羊太郎】
    日本人名大辞典
    活躍し,芸能マネージャーとなる。昭和45年芸能界を題材にした密室殺人ものの「殺意の演奏」で江戸川乱歩賞。以後「虹色の陥穽」や「悪人は三度死ぬ」などの本格推理を多
    43. 大藪春彦
    日本大百科全書
    早稲田大学教育学部中退。在学中の1958年(昭和33)、文芸同人誌『青炎』に発表した「野獣死すべし」が江戸川乱歩の目にとまり、小説誌『宝石』に転載されデビュー。
    44. おおやぶ-はるひこ【大藪春彦】
    日本人名大辞典
    説家。昭和10年2月22日朝鮮京城生まれ。早大在学中の昭和33年にかいた「野獣死すべし」を江戸川乱歩に激賞され文筆生活にはいる。「蘇える金狼」「汚れた英雄」など
    45. おく‐づけ【奥付】
    日本国語大辞典
    *訂正増補新らしい言葉の字引〔1919〕〈服部嘉香・植原路郎〉追加「奥附」*陰獣〔1928〕〈江戸川乱歩〉二「彼の著書の奥附(オクヅケ)を見たり」
    46. おとし‐ばなし【落話・落咄】
    日本国語大辞典
    ~13〕前・下「イヱ、あれは落咄(オトシバナシ)でござります」*人でなしの恋〔1927〕〈江戸川乱歩〉六「まるで落(オト)し話(バナシ)の様な想像ではありますが
    47. 鬼に=金棒〔=鉄撮棒〕
    故事俗信ことわざ大辞典
    さ」古今俚諺類聚(1893)「鬼(オニ)に鉄棒(カナボウ)のやう」盲獣(1931~32)〈江戸川乱歩〉レ〓ウ国の女王「水木蘭子は
    48. おに に=金棒(かなぼう)[=鉄撮棒(かなさいぼう)・=金梃(かなてこ)]
    日本国語大辞典
    あれで愛敬(あいけう)がありゃア鬼(オニ)に鉄棒(カナボウ)さ」*盲獣〔1931~32〕〈江戸川乱歩〉レ〓ウ国の女王「水木蘭子は、〈略〉水々しい肉体
    49. おひな‐さま【御雛様】
    日本国語大辞典
    (い)でなさる所は、誠にお雛様(ヒナサマ)のやうでござります」*人でなしの恋〔1927〕〈江戸川乱歩〉七「その表(おもて)に、床(ゆか)しいお家流で『お雛様(ヒ
    50. おんじょう‐しゅぎ[ヲンジャウ‥]【温情主義】
    日本国語大辞典
    強ひずして遂に己を敬せしむるに至る主義。最近労働問題に付て多く用ひられる」*二銭銅貨〔1923〕〈江戸川乱歩〉上「そこで支配人は、労働問題について、多分は労資協
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